バイトしてなくても借りられる!?

2008年に改正された貸金業法で導入された「総量規制」
これは借り入れ可能金額を年収の3分の1に規制しようというものだが、これにはちょっとした裏話がある。
 
年収の3分の1と規制しながら、収入証明の徴求は一定の範囲内では義務付けられていない。
収入証明の提出を義務付けているのは、1社で50万円を超える貸し付け、もしくは、他社の借り入れと合算して100万円を超える場合のみとなっている。
学生ローンでは元々多額の貸付は行っていない。
また、他社と合算して100万円を超えるような場合にはハナから融資を断っている。
したがって、学生ローンの顧客は、収入証明を必要とするケースが皆無といっていい状況なのだ。
実際に学生ローンで収入証明を必須書類としている業者は皆無で、収入以外の理由で貸し付けができない場合に、断る為に利用されているのが現状なのだ。
現に学生ローンを利用したあるマルチ商法では、アルバイト先や収入を、マルチ主催者側の指示で書かされたという事案が多発したという事例がある。
その間、バイト先などへの在籍確認すらしていないことから、虚偽の申告がスンナリと通ってしまっていたのだ。
これはおそらく現在でも学生ローンでは慣例となっているのではないかと推測でき、そのことは収入が無くても虚偽の申告で簡単に借りられることを意味している。
つまり、総量規制の「抜け道」となっているのだ。
法律上、学生ローン側ではアルバイト先の記入欄を設け、そこにお客自らの意思でアルバイト先の情報、収入を記入しているのだから、全く問題はないのだが、あるとすれば虚偽申告をした側にあるのかもしれない。
 
総量規制は法律施行前から見直し規定が設けられた前代未聞の法律である。
導入前から問題が多数指摘され、現在では撤廃論が囁かれているが、バカ正直に年収を申告した人が融資を受けられず、虚偽の申告をする者が借りられるというとんでもない事象も生んでいる。
そもそも導入前から見直しを前提とした法律は、我が国初の事例で施行そのものに無理があったのだ。
ヤミ金を助長する問題、専業主婦の差別等々、総量規制の撤廃・見直しを早急にすべき時期にきているのだろう。