古いお客は嫌われる?

学生ローンや消費者金融のみならず、昔から取引のある古いお客様は大事なお客様である。
しかし、ここにきて学生ローンや消費者金融では、古いお客は嫌われるという定説があるのだ。
どういう事だろうか?
これは過払い金返還請求が原因であることがわかった。
例えば、金利の引き下げや総量規制が実施された平成18年以降の顧客は、法定利息以内の契約なので過払い請求そされる心配はない。
ところが、それ以前から取引のある顧客については、貸金業者からすると「いつ過払いをやられるか」と不安を抱えているのだ。
取引が古ければ古いほど過払いリスクが高い為、貸金業者からすれば「お荷物」・「爆弾」という扱いなのである。
 
もし貴方が20年ほど前から利用し、9年前に完済している消費者金融があったとする。
その会社に再契約の申し込みをしたら、間違いなく断られるだろう。
なぜなら、過払いの時効は完済した日から10年だからである。
あと1年で時効という爆弾債権を、わざわざ時効消滅となる貸し付け行為をやるわけがないのだ。
 
本来、古いお客様はどんな商売であれ、大切にしなければいけないものだが、消費者金融業界では嫌われるという事実は、実際にあるようだ。
それにしても不幸なのは長年約束をちゃんと守り、誠実な取引をしてきた利用者だ。
過去10年・20年の取引実績は一切考慮されず、逆に「お荷物」とされていることを知ったら、さぞいたたまれない気持ちだろう。
これも総量規制という悪法が生んだ悲劇の副産物なのだ。