複数申込みは借りられない連鎖を生む

少しでも早く、なるべく多く借りたいという切羽詰まった時、大抵の人は一度に何社もの学生ローンや消費金融に申込みや問い合わせをする。
「数打ちゃ当たる」という考えだろう。
ところが、ローンに関しては「数打ちゃ当たる」は100%ありえず、数を打てば打つほど借りられなくなっていくのである。
 
信用情報機関の存在
数を打つほど借りられなくなる仕組みを説明する前に、学生ローンや消費者金融からお金を借りた際、貴方の個人情報がどのような流れで扱われるのかを説明する必要がある。
今ここに、明日までに50万円を都合つけなければならない顧客Aがいる。
顧客Aはとりあえず自宅近所の消費者金融Y社に出向き、50万円の申し込みをした。
申込書を書き、審査を受けると断られてしまった。
実はY社は、相次ぐ過払い金返還請求に追われ、資金不足に陥っていた。
その為、貸し付けそのものにブレーキをかけ、よほど条件が良いク客でない限り、融資を断っていたのである。
顧客Aは他社での借り入れは一切なく、安定した収入もある一般サラリーマンだ。
通常なら顧客Aは、問題なく審査は通る状況なのだが、たまたま最初の1社目がハードルの高い審査基準だった為、借りることができなかった。
この時、Y社は顧客Aの信用情報を照会しているのだが、この時点でその履歴は当面(1~2ヶ月)記録として残ってしまうのだ。
明日までに50万円を都合つけなければならないAは、あせってインターネットで一度に10社に申し込みをした。
当然、その10社は同じように信用情報の照会をする。
Aは一日で11社に申し込みをしたことになり、この事実は貸金業者にもわかってしまう。
Aはまだ全く借りていないのだが、こうなってしまうと貸金業者からすれば、何件でいくら借りたかはもう関係ないのだ。
問答無用で断られる。
もしAが最初に申し込みをした消費者金融で借りられたら、こんな事にはならなかったのだが、運が悪いとしか言いようがない。
今回のケースの場合、1社ずつ申し込みをしていくことがベストであったが、親切な貸金業者では契約前では信用情報に記録が残らない方法で照会してくれる場合もあるので、審査に不安がある場合はそちらの方を確認してみるのも1つの手かもしれない。
「数打ちゃ当たる」は、ローンに限っては全くの逆効果となり、借りられない連鎖を生む事となるので、ぜひとも覚えておいて頂きたい。