返済関連

学生ローンの返済方法は「元金自由返済」が主流であったが、2008年の貸金業法改正で返済回数は最長60回(5年)と定められ、一部の学生ローンでも残高スライドリボ方式が採用されるなど、変化が見られるようになった。
元金自由返済方式は、極端に言えば利息を10年払い続け、10年後から元金も減らすような支払い方でも問題はなかった。
ところが最長5年という明確な規定が設けられたことから、利息だけの支払をOKとする返済方法は、事実上認められなくなったのである。
しかし、今でも利息のみの支払いをOKとする業者もある。
先ほども述べたように、改正貸金業法では完済まで5年を最長とする明確な指針が示された。
では、なぜ未だに元金自由返済方式を採用している業者があるのか?
 
「個別契約」と「包括契約」で意味合いが違ってくる
個別契約の場合、明確な回数と月々返済額を示さなければならないが、包括契約の場合、借りた翌日にまた借りる可能性もあり(借入金が常に変動する可能性がある)返済回数を明確に示すことが難しい。
このことは法施行前から業界内では問題視されており、実務上不可能だと囁かれていた。
うやむやのまま法が完全施行された為、日本貸金業協会が応急処置的対処法として示したのが、「返済例を明記する」というものだった。
 
返済例
10万円を36回で返済 ○○円×36回
20万円を36回で返済 ○○円×36回
30万円を36回で返済 ○○円×36回
 
包括契約の場合、誰がいつATMで借りるかわからない。
そこで、上記のようにいくつかの返済例を表示することで、包括契約に対応しているのである。
いくつかの学生ローンで「利息のみok」としているのは、36回ないし60回の中で、数回は利息のみの入金があっても構わないとしているものであって、永遠に利息のみokとするのは法律違反となるのだ。
 
学生ローンの「元金自由返済」は、アルバイト収入が安定しない学生にとっては便利な返済方法である。
学生ローンからすれば、学生にウケているこの返済方法はなるべく残したいところだ。
そこで、臨時的な利息のみの返済はokだが、原則は36回ないし60回で返済して下さいというのが現在の元金自由返済の趣旨となっているのだ。
 
ここまでが大まかな学生ローンの返済方法の概要を説明したが、一部の学生ローンでは借入金額スライドリボ払いに切り替えた業者もある。
借入金額スライドリボ払いとは、借り入れた金額に応じて月々の最低返済額が変動するもので、通常は36回ないし60回で完済するように計算されている。
例えば借入金が10万円以上20万円未満の場合、最低返済額が2,550円、20万円以上30万円未満が5,100円、30万円以上40万円未満が7,650円というように、10万円単位で月々最低返済額が2,550円ずつ加算される。
借入金額スライドリボルビング方式のメリットは、最低返済額が明確な点にあるが、学生にウケが良い「利息のみの返済」ができない点がデメリットとなる。
ただ、借入金額スライドリボルビング方式は、最長5年以内の返済額を明確にしなければいけないという現在の貸金業法に沿う返済方式となっており、まだ取り入れていない学生ローン業者の追従も予想される為、これからの主流となる可能性を秘めている。